【精油(エッセンシャルオイル)と合成素材の違い】アロマでは天然素材の精油を使います。もちろんそれは理由があります。

アロマの選択
オーストリアの国境近辺
欧州オーストリアの国境付近

皆さんは精油と合成素材を区別されていますか
そもそも違いが分からない、と思っておられるかもしれませんね
精油エッセンシャルオイルとも呼ばれます
一方アロマオイル合成素材です
どちらもいい香りですが何が違うのでしょう?

精油(エッセンシャルオイル)と合成素材の違い ポイントは?

香りを楽しまれる時には、その原液が精油なのか合成なのか意識された方が良いです
精油と合成の違いで大きなポイントは

・体調を整えることを期待するのか
・純粋に香りを楽しむのか

です

精油(エッセンシャルオイル)は脳神経を通じて体に働きかけますので香りを楽しみながら体調を整えることが目的です

一方、合成精油の香り成分を真似た素材です
ですので純粋に香りを楽しむことはできます
ですが、完全に精油をコピーできるわけではないので体調を整える効果は期待薄です

精油と合成のそれぞれの特徴からご説明致します

精油は植物由来の天然素材です

・精油は100%植物から抽出されます
・精油はいくつもの香り成分を含みます
・脳神経はその香り成分に反応します

精油、もしくはエッセンシャル・オイルは100%植物から抽出される自然の天然素材です
精油の種類によって、その香りを決める香り成分が異なります
そして全ての精油はいくつもの香り成分が混ざっています
ポイントはこの香り成分にあります

脳神経はこの香り成分に反応し、記憶や感情をコントロールする部位に信号を送ります
それによっていい香り、嫌な香りを判断します
また脳神経は自律神経にも指令を出します
これが体調を整えることに繋がります

香りと自律神経の関係は以下を

合成は精油の香りを真似る原液です

一方の合成はまさに化学の進歩による成果です
精油の香りの成分はかなり分析されています

合成素材は今やとても身近です

合成で作られた香りを普段意識することはないと思います
ですが合成の香りはとても身近です
合成の香りは商業的に化粧品、入浴剤、食品の香料などなど、とても多くの商品に応用されています

色々な商品パッケージの成分表をご覧になると「香料」の文字をとてもよく目にすると思います
特に化粧品などは香料を使わないと使用感が全く異なると思います

また食品にも香料はとてもよく使われています。
一度食品パッケージの成分表をご覧になっていただくとお分かりだとおもいます。
水以外の清涼飲料水にはほとんど「香料」の表示が入っていると思います

香料の全てが合成というわけではありませんが商業ベースでは多くが合成素材です
このように身近な商品の使用感を香料は高めてくれます

ですがこれらの合成素材は基本的に香りを豊かにするものであって
メンタル面を中心とした体調を整える効果までは力不足です

合成素材でどこまで複製できるのか

精油の香り成分はほぼ解明されています
なので合成で精油を複製することは理屈の上では可能です

たとえばラベンダーの精油はどの様な香り成分がどの様な割合で含まれているのか、ほぼ解明されています
ですので、ラベンダーの香りにほぼ近い合成原液をつくることは可能です

ですがラベンダー精油に近いのはあくまでも香りの部分です
脳神経がラベンダー精油と同じように反応してくれるのか、それは分かりません
それはなぜでしょうか

合成素材の限界

精油と合成で同じ香りなら体への効果も同じように思えますよね
何が違うのでしょう

次の点が考えられています

・精油の完全な複製が難しい
・合成原液に溶剤など不純物が入るケース
・天然分子と微妙に分子構造が異なる

精油の香り成分の完全コピーは難しい

香りの世界、嗅覚の世界は驚くほど繊細です
精油の微妙な香り分子の種類まで脳神経は反応しています
ところが合成で精油の微妙な香り分子の種類まで全てカバーするのは難しいです

しかも技術的な問題だけではなく、精油に含まれる細かな成分までカバーしようとすると製造にそれなりの手間とコストがかかります
商業ベースで考えると精油の完全コピーは採算に合うのか疑問です

合成素材に溶液などが混ざるケース

また合成素材には溶液やスプレー用などのために推進剤が使われているケースがよくあります
これらが過敏症や頭痛を引き起こす可能性が指摘されています
合成素材を長時間焚いていると頭が痛くなった、という方もおられるのではないかと思います

ディフューザーにも一般には使えない、と言われています
それは溶剤が混ざっているケースがあり、これがディフューザーに想定外の負担をかけ、故障につなかる可能性があるからです

ひどい場合は、アロマポットを使い下からロウソクで加熱すると、パチパチと音を立てて弾けることもあります
合成素材が悪いと言うよりも、それを商品化し提供する時の問題です

合成素材の限界としては、精油を完全コピーすることが難しい、というポイントよりも、
むしろ溶剤など余計な化学物質が混ざる可能性が高い、方が問題になりやすいです

ほとんどの精油は水蒸気を絡めて香り成分を取り出します
精油は水に溶けないので精油だけをきれいに採ることができます

ですので精油は合成素材とは全く抽出方法が異なります

天然分子と合成分子の微妙な違い

もちろん分子構造が少しでも異なると、脳神経が受け取る香りの信号は異なります

完全に複製された合成分子なら精油の天然分子と同じように脳神経に働きかけるかもしれません
ですが、「ほぼ香りが似ていれば、、、」くらいの分子構造だと脳神経が精油と同じようには反応してくれないと思われます

アロマオイルには「アロマ」の表記が

アロマオイルは合成素材です
なので香りは精油と変わらないように作られています
ですが精油の香り成分を全て含んでいるわけではありません

合成でも精油の香りに近づけ香りを楽しむことはできます
しかしながら完全コピーでない合成素材に脳が精油と同じように反応してくれるか、は疑問です
アロマで一般的に言われる効用は合成では期待薄です

ほとんど香りが同じなのにそれほど微妙な話なのかなぁ~
と思われましたか(笑)
香りの世界は想像以上に微妙で繊細です

人の嗅覚は犬や猫に比べると劣りますが、それでもとても高性能です。
香りの世界はPPM(百万分の1)の世界です。
その話は別のコラムでお話しておりますのでご参考になさってください。

ラベンダー畑のみつばち

以上違いをまとめると次の様になります。

アロマの効果を期待するなら精油です
合成素材では効用は期待薄です
純粋に香りを楽しむのなら合成も選択肢です
ですが過敏症や頭痛のリスクはあります

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