家でペットを飼われている方は多いですね。
ペットで癒されているのでアロマはいいや、と思われているかもしれませんね(笑)
一方、アロマに興味はあるんだけど家にはペットがいるから。。。
とアロマをあきらめている方もおられるのでは。
実際、ペットとアロマの相性はどうなのでしょうか。
今回はペットとアロマの相性についてお話します。
◆ ペットの種類とアロマの相性
◆ 猫とアロマ
・猫の体内の代謝
・猫にマタタビ
◆ 犬とアロマ
・アロマを楽しまれる時の注意点
・犬が苦手な香り
◆ アロマ精油以外の香り商品
・柔軟剤、香水、消臭スプレーなど
・香り分子への耐性
◆ 香りの本場欧州のペット
・アロマの本場ヨーロッパ
・欧州の香水
・欧州のペット
◆ 最後にひとこと
ペットの種類とアロマの相性
ここでは大きく3つのカテゴリーに分けてお話しします。
☆ 猫
☆ 犬
☆ その他の小動物
まず猫のケースですが、
結論から先に申し上げると、猫を飼っておられるとアロマは基本的に使われない方が無難です。
一方もう一つの人気者である犬ですが、
個体差が大きいです。
実際獣医の先生が犬に対してアロマテラピーを施術されているケースはよくあります。
犬は猫と違いアロマの効果が期待できるケースが多いのでアロマに詳しい獣医の先生にご相談されてください。
猫、犬以外のウサギやハムスター、小鳥などの小動物は基本的にアロマはNGです。
体が小さい分、少しの量でも分解解毒・代謝が間に合わなかったりします。
メジャーな猫や犬に対し情報も少ないので何が起こるか分からず体も弱いので、他の2つのペットと違い命に係わる可能性も高いです。
猫とアロマ
先にお話しした通り猫を飼っておられるのなら残念ながらアロマは使われない方が賢明です。
猫の体内の代謝
香りの元は香り分子です。
鼻や呼吸器から体内に入りその香り成分が血液に溶け全身を巡ります。
その香り分子は普通は肝臓で分解解毒・代謝されたのち体外へ出てゆきます。
ところが猫はその香り分子を分解解毒・代謝する速度が体の大きな犬に比べ遅くなります。
またそもそも香り分子に対し一部分解するための酵素を持たず分解解毒・代謝ができない場合も多いです。
そのため体内に蓄積され中毒症状を引き起こします。
猫にマタタビ
よく知られた話ですが「猫にマタタビ」の場合はどうなのでしょう。
猫はマタタビに対し体を摺り寄せたり、酔った様な症状を見せます。
これは猫の中枢神経に作用し一種の興奮状態になっていると言われています。
ですが30分もすれば猫はマタタビに興味を示さなくなります。
症状が収まり猫は普通の状態に戻ります。
このあたりの研究成果を岩手大学が名古屋大学と共同で2023年9月に発表しています。
マタタビは中枢神経の一時的な痺れを起こすだけで依存するものではないそうです。
さらに重要なのは3年間の追跡調査でも香り成分が体に蓄積し肝臓や腎臓に悪影響を及ぼすことも無かったそうです。
つまりマタタビの香り成分は猫の体内で解毒分解・代謝され害はないことになります。
マタタビの葉から自然に立ち上がる香り分子の濃さと、それこそ大量の植物から得られる精油では濃さが全く異なります。
もちろん精油は1%~5%程度に薄めて使いますが、それでも人にはしっかり分かる濃さです。
ましてや猫には十分な濃さです。
精油によるアロマは猫には危険と申し上げましたが、そもそも自然に生息してる植物の香り濃度とは異なりますので、やはり猫を飼っておられる方はアロマは控えられた方が良いと思います。
犬とアロマ
単純ではありますが、体の大きさは香り分子の分解解毒・代謝能力に差をもたらします。
猫に比べ体の大きな犬はそれだけ代謝能力が上がります。
人が使う薬も子供と大人、体格の異なる日本人と欧米人ではその使用量も異なります。
そのため犬の場合は個体差はありますが、一般的に家でアロマを使用することは可能です。
ただし次にお話する基本的な対応は守られた方がいいです。
更にご本人がアロマを楽しむだけでなく犬へのアロマセラピーも正しい知識の元で効果が期待できます。
犬へのアロマテラピーはやはり獣医の先生に相談されるべきです。
アロマを楽しまれる時の注意点
部屋から出して換気も忘れず
やはりアロマを焚く間は犬を部屋の外に出した方が無難です。
その後の換気も行った方がいいです。
特にアロマにベースノート系が多く含まれている場合はなおさらです。
手洗い
精油を使われたあとはしっかりと手を洗ってからペットに触るようにしてください。
犬はすぐに舐めにきますし。
ちなみに香りの分子は水に溶けません。
ですので水だけで手を洗うのではなく石鹸で手を洗います。
ご本人がアロマをたのしまれるのではなく犬にアロマテラピーを施術される場合も同様に体についた溶液を舐めると思いますので、どのような溶液をどのくらい使うのか、やはり獣医の先生のアドバイスは大切です。
犬が苦手な香り
クローブとオレガノは避けた方が無難です。
もちろん個体差はありますが、これらの香り分子は肝臓に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
もっとも料理でこれらのスパイスは使いますが、一般的にアロマでこれらの精油を使われることはほぼないと思います。
アロマ精油以外の香り商品
意外と盲点なのがアロマ以外の商品です。
やはり合成香料への耐性が問題です。
柔軟材、香水、消臭スプレーなど
特に柔軟剤は最近香害として話題に上がることが多いですね。
柔軟剤の香りは長く香りを保つためマイクロカプセルに香り分子が閉じ込められています。
それらが衣服に付着し時間と共に割れて少しずつ香りが漂います。
香水類と同じ合成香料ですからとても良い香りはするものの体調への影響はさまざまです。
実際香害が問題になっていることからもお分かりのように人によっては体調に良くない影響をもたらします。
ペットに対してもそれは当てはまります。
先ほどからお話しているようにペットは代謝能力が人に比べ高いわけではありません。
もちろん香り分子の種類にも拠りますが香りのアイテム商品は基本的にNGです。
また消臭スプレーもペットに影響が出るケースがありますのでご注意ください。
香り分子への耐性
これまでこれらの商品を使っているけどペットは元気だよ。
問題ないし気にし過ぎじゃない、と思われた方もおられるかもしれません。
ペット自身の個体差はありますからもちろん問題ない場合が多いのかもしれません。
ただ香り分子の分解解毒が十分でないと少しづつ体に蓄積されてゆくことになります。
その場合人の花粉症のように昨年まで大丈夫だったのに今年花粉症デビューしてしまった、と同じ様に耐性キャパシティを超えて症状が出る可能性があります。
しかもとても厄介なのは、症状が出た原因が香り分子だと分かればいいですが、どうしてペットの調子が悪いんだろう、と悩むことになりかねません。
普段大丈夫だから、ではなくやはり普段できる注意(手洗いや換気など)は払ってあげた方がペットには優しいと思います。
香りの本場欧州のペット
アロマの本場ヨーロッパ
やはり欧州はアロマが似合います。
日本より北緯が高く南フランスで札幌とほぼ同じくらいです。
そのため何が違うかと言えば気温が低いこともそうなんですが湿度が低いのです。
それは特にハーブ類の繁殖に適しています。
言葉は悪いですが、ラベンダーなどは雑草の様に茂っており、ちょっとした庭には必ず見られます。
精油の原料植物の育成に適しています。
また湿度が低いと香りをより自然に楽しめます。
日本の夏の様な湿度が高い環境では色々な雑多な香りも混ざりがちです。
アロマテラピーが欧州から始まったのもなるほどと思います。
欧州の香水
欧州ではアロマもさることながらやはり香水です。
とにかくその香りは人が近づくとよく漂います。
香りには残り香という言葉がありますが、誰も乗っていないエレベーターの扉が空くと香水の香りが漂うことは多々あります。
日本人に比べると体臭が強い欧州人が匂いのマスキングのため香水を使うとも言われますが確かに香水を付けておられる方は多いです。
しかもはっきりと分かるくらい。
欧州のペット
欧州の都会の真ん中は別として、日本の家より大きく庭もある欧州の家では多くの方々が犬を飼っています。
日本よりも大きな犬が多いです。
そして家の中、外、を自由に行き来しています。人が靴を脱がないので犬も自然に出入りします。
合成香料の香水が多く使われているのにペットは大丈夫なのでしょうか。
ここまでアロマや香り商品には気を付ける様に、とお話しておきながら矛盾することを申し上げますが、ペットは普通に暮らしています。
最後にひとこと
欧州のペット事情の話から、それではここまでの話は何だったんだ、と言われそうですが(笑)
欧州のペットの話を差し上げたのは次の2点を最後にお話したかったからです。
生き物相手なので個体差はあります
神経質にならず基本的な対応を行う
同じ香りでも過敏に反応するペットもそうでないペットもいます。
あの猫のマタタビですら中には反応しない猫もいます。
ですのでペットの様子をよく見て獣医の先生と相談することが大切だと思います。
いくらペットが普通に過ごしているとしても香りの分子がペットにとって全くリスクがないとは言えません。
なので精油の濃度を薄める、手洗いをする、換気は十分にする、などの基本的な対応はペットへの優しさの表れだと思います。