【キャリアオイルの酸化の違い】酸化しやすく注意が必要なキャリアオイルはどれでしょう

アロマを使う
UKケントのウィスタブルの海岸
UKケントのウィスタブルの海岸

エッセンシャルオイルを溶かすキャリアオイル(ベースオイル)は多くの種類があります。
慣れておられる方は色々なキャリアオイルを試されていると思います。

ですがこれから始めてみようかな、とお考えならばキャリアオイルの酸化について注意されてください。
酸化しやすいキャリアオイルが使えない、というわけではなく、その保管管理をしっかりと行う必要があります。

今回はキャリアオイルの酸化についてお話致しますので、どのキャリアオイルが酸化しやすいのかご参考になさってください。

もくじ

オイルが酸化するということ
 ・炭素(C) 水素(H) 酸素(O)
 ・単結合と二重結合
 ・二重結合は狙われる
酸化しやすい脂肪酸
オレイン酸 リノール酸 リノレン酸
各種キャリアオイルの成分
 ・アルガンとグレープシード
 ・酸化しにくい植物油

ラベンダーとみつばち

オイルは基本的にC,H,Oを主な成分としてできています。
そしてそれぞれの原子は他の原子と結びつく手の数が決まっています。

・C 炭素 4本
・H 水素 1本
・O 酸素 2本

原子の手

ここでポイントとなるのはC(炭素)同士の手のつなぎ方です。

次の2つのケースをご覧ください。

原子の結合

AはC(炭素)同士が1本で結ばれてます
BはC炭素同士が2本で結ばれてます

オイルが酸化し易いかどうかはこの二重結合の数で決まります

オイルはC(炭素)の数が10以上のものがほとんどです。
けっこう大きな塊になっています。

それだけ二重結合の可能性も高くなります。
そして二重結合の数が多いオイルほど酸化しやすくなります。

二重結合と聞くと単結合より強い結合の様に思えますよね。
1本より2本の方が強い、と。

ところが二重結合にO(酸素)が近寄ってくると話は別です。
二重結合のうち1本が外れ近寄ってきたO(酸素)とつなぎ変えるケースが多くなります。

まさに酸素がくっつくので酸化です。
実は酸素は結構やんちゃ者です。
活性化酸素という言葉があるくらい。

ラベンダー畑の風景

キャリアオイルの主な成分は脂肪酸です。
キャリアオイルは種類によって色々な脂肪酸を含んでいます。

ですので酸化しやすいオイルとは、酸化しやすい脂肪酸を多く含んでいます。
脂肪酸は大きく3つのグループに分れます

つまり酸化しやすいオイルとは多価不飽和脂肪酸を多く含むオイルです。
のちほど詳しくお話致しますが具体的に酸化しやすいキャリアオイルは
アルガンオイル
グレープシードオイルです。
そのほかにもアーモンドオイルセサミオイルなども酸化しやすいキャリアオイルです。

ではこの分類に沿って代表的な脂肪酸を分類してみます。

この表からお分かりの様に、パルミチン酸オレイン酸を多く含むオイルが酸化しにくく肌に優しいことになります。

一方、リノール酸を多く含むと酸化しやすくなります。
つまり保管管理に十分注意を払う必要があります。

これら多価不飽和脂肪酸を多く含むオイルは半乾性ー乾性の質感を持ちます。
実際に肌に塗ると飽和脂肪酸よりサラッとした感触で肌に吸収されます。

ですので保管管理をしっかりとしてオイルの状態が良ければ役目をしっかりと果たしてくれます。
ちなみにリノール酸、リノレン酸は体内で作ることができない必須脂肪酸です。
魚のオイルでオメガ3と言う言葉を聞かれると思いますが、植物油として同じ種類です。

なので酸化してなければ有益な脂肪酸です。
繰返しとなりますが保管管理は重要です。

ローズマリー

それでは各種キャリアオイルの脂肪酸の具体的な成分はどうなっているのでしょう。

脂肪酸含有量

赤い部分が二重結合を2カ所以上持つリノール酸を示すので酸化しやすいオイルです。
つまりアルガンオイルグレープシードオイルは酸化しやすいので取り扱い注意です。

意外でしたか?
アロマにご興味のある方なら特にアルガンオイルはとても肌に良い、と聞いていたのに。。。
と思われたかもしれません。

確かにビタミンEを多く含みますのである程度酸化は抑えられます
ですがリノール酸を多く含むことは確かなので保管管理はきちんと行うべきです。

グレープシードオイルも要注意です。
こちらはサラッとした感触が心地よく、マッサージオイルとしてよく紹介されます。
ですがグラフをご覧になってお分かりのようにリノール酸のウェイトは大きいです。

ただアルガンオイルと同様に酸化を防ぐビタミンEの一種を比較的多く含みますのである程度酸化は抑えられます。
これもアルガンオイルと同じですが必須脂肪酸でもあるリノール酸は体には良いものの、酸化すれば逆効果ですので保管管理には十分注意を払う必要があります。

一方赤い部分が少なく青い部分のオレイン酸を多く含むオリーブオイルマカデミアナッツオイルツバキオイル酸化しにくいオイルです。

特にマカデミアナッツオイルは中々の優れものです。
なんと言っても酸化しにくいです。

グラフをご覧になるとグレーの「その他」の割合が大きいので怪しいと思われたかもしれません。
「その他」のほとんどがパルミトレイン酸です。全体の中では20%強を占めます。

パルミトレイン酸は皮膚の表面を覆っている皮脂の一つの成分です。
そのパルミトレイン酸を多く含むので肌に浸透しやすいのが特徴です。
実際べたつきがなく軽い感触で使用感が中々よいので乳液など化粧品には広く使われています。

ちなみにパルミトレイン酸は二重結合をもたない飽和脂肪酸ですので酸化にはめっぽう強いです。

ツバキオイルは昔は使いにくかったようですが、最近のツバキオイルは使いやすくなっています。

バスケットのラベンダー

これらの種類も含めてキャリアオイル全般の種類について別のコラムでご紹介しておりますのでご参考になさってください。

酸化しやすいオイルはさらっとして使い易いです。
ですので酸化しやすいオイルが使えないわけではなく、その保管管理をしっかりとされるべきです。
また、一回に作るトリートメントオイルの量を控えめにし、できるだけ早めに使い切ることがポイントです。
せひキャリアオイルでトリートメントオイルを作られその良さを体験なさってください。

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