【月経前症候群(PMS)に対するアロマの効果】アロマは月経ストレス緩和に貢献できそうです

アロマの効果
パリのかもめ
パリのかもめ

女性にとって月経はストレスが大きなものです。
そのストレスを緩和する試みはアロマでも研究されています。
今回はそのような研究文献を2つご紹介いたします。

月経前症候群(OMS)にネロリ
 ・ご紹介文研
 ・臨床試験内容
 ・臨床試験結果
ネロリについて
3種の香りとPMS
 ・テスト方法
 ・テスト結果

Investigation of the effect of aromatherapy with Citrus aurantium blossom essential oil on premenstrual syndrome in university students: A clinical trial study

大学生の月経前症候群に対するシトラス オーランティウム ブロッサム エッセンシャル オイルによるアロマテラピーの効果の調査: 臨床試験研究
2018年8月

出所:NIH(National Institutes of Health アメリカ国立衛生研究所)
National Library of Medicine(医療ライブラリー)

Citrus aurantium(シトラスオーランティウム)」はネロリの学名です。

シラーズ医科大学の寮に住む女子学生62人が対象

濃度 ネロリを0.5%に希釈
頻度 1日2回 5分間づつ芳香浴
期間 月経前(黄体期)の5日間
調査タイミング 
実験前と実験後1か月と2か月
比較 ネロリと無臭のアーモンドオイルの比較
方法 PSST質問票でストレス度合を計測

   PSSTとは、心理・身体症状・仕事・家族などに関する質問に答えるテストです。

結果は1か月後も2か月後も共にPMSの症状緩和効果があったそうです。
症状緩和は主に心理的なストレスの緩和によってもたらされたものです。
ただ身体的な症状緩和にはあまり有意な結果ではなかったようです。

1回5分程度を5日間で1か月2か月後にも効果があるのは驚きです。
確かにネロリは多くの精油の中でも気持ちに働きかける効果が高く人気です。
ご参考になさってください。

花とみつばち

ネロリはとても貴重な精油で人気があることもあり手に入りにくいオイルです。
ネロリはビターオレンジの花の部分から採取されます。

このビターオレンジの生育で中心となるのは地中海沿岸の中東の国々でエジプト、レバノン、などの名前がよく挙がります。
この文献のシラーズ医科大学があるイランも同じく中東のこれらの地域にあります。

文献内でもイランの南部および北部に生育している木からネロリの精油が採取できるとあります。
貴重なネロリを使って臨床実験ができるのも場所の利点があるのかもしれません。

この文献の中では、他の研究結果を紹介する形で簡単にネロリの効用について次のように説明されています。

ネロリは中枢神経系の活動に影響を与えます。
鎮静剤や抗うつ剤として不安を軽減する効果が動物実験でも確認されています。

この様な背景もありこの臨床試験は行われています。

ローズマリー

これまでお話ししたネロリとは別に3種類の香りがPMS緩和に効果がある、という報告もあります。
近畿大学とエステー(株)の2023年12月の共同研究結果です。

対象 20~38歳の女性140人
香りの元 ステック状の練香水

    3種類
頻度 1日4回
期間 月経前(黄体期)の5日間
   結果は4日以上使用した方を対象
方法 ネロリで使われていたPSSTの日本版に相当するDRSP質問票でストレス度合を計測

   3種類の香りはバーベナー調(柑橘系)ミント調ラベンダー調です。

結論から言いますと3種ともPMS緩和に効果が見られたそうです。
この報告では精神的にも身体的にも対象の方々は症状の緩和を感じられたそうです。
3種の香りの効果の違いはバーベナ調とラベンダー調がより効果が高かったようです。

今回ご紹介したPMSのストレス緩和にアロマが効果をもたらす結果はもちろん全ての女性にあてはまるわけではないと思います。
ですが天然素材の香りが体の機能を一定に保とうするホメオスタシスの仕組みに働きかけることは分かっています。

人によってストレス緩和効果の強弱はあれどご参考になれば幸いです。

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